宗廟(종묘/チョンミョ)は、韓国のソウル都心部に位置し、李氏朝鮮王朝(1392年~1910年)の歴代王が祀られている朝鮮式の霊廟です。

その敷地内の木々の中に佇む木造建築の建物は、王たちの位牌が安置されており、歴史的価値が高く世界遺産になっています。歴史好きの方にお勧めのスポットといえます!!

今回は、宗廟について紹介し、宗廟が行く前に知っておきたいことも解説します!


宗廟の配置図
map_jongmyo
(原本へのリンク)


宗廟はどんなところ?こんな方にお勧め!

宗廟(そうびょう)は、古くから朝鮮王朝(1392年~1910年)の首都・漢陽(ハニャン、現ソウル)にあって、歴代の朝鮮王を祭っていた祭祀場(霊廟)でした。韓国語では「종묘/チョンミョ」と読みます。

朝鮮王朝の建国後すぐに建てられた宗廟は、初代王・李成桂の先祖の位牌が建物の中に納められ、その後も時代が下るにつれ各代の朝鮮王の位牌が納められていきました。この場所で、朝鮮王族によって先祖の王たちをまつる祭祀が厳かに行われました。宗廟は、そんな歴代王たちを敬った朝鮮王朝の息吹を感じることができる場所です。

ソウル都心部には、李朝の歴史的施設として5大王宮がありますが、歴史に関心ある方は宗廟もお勧めです。

隣接して昌德宮と昌慶宮もありますので、これらのスポットと続けて回ることもできます。また、周辺には明洞や仁寺洞などの繁華街もありますので、こちらも一緒に立ち寄ってもよいかもしれません。

宗廟のまとめ
  • 名称:宗廟(종묘/チョンミョ)
  • 行き方:ソウルの地下鉄1号線鐘路3街駅出口から徒歩3分(→コネスト地図)
  • 営業日:火曜休業(火曜が祝日の場合は水曜休業)
  • 所要時間:1時間程度
  • 営業時間:9時から17時半〜18時半(季節により変動)まで
  • 入場料:大人1,000ウォン、子供500ウォン
  • 公式サイト:文化財庁 宗廟(リンク)

宗廟の正殿
정전


宗廟に行く前に知っておきたいこと!


①宗廟は儒教思想に基づいて建てられた霊廟!

宗廟は、朝鮮王朝の歴代の王・王妃を祭った霊廟で、儒教思想に基づいて建てられました。

朝鮮の王・王妃は、死後に王宮で3年の喪を行い、その後、宗廟に位牌が移されました。

このため宗廟は王宮(昌徳宮)のすぐ隣にあり、歴代の王・王妃が一所に祀られています。王・王妃の墓が、ソウル市内や近郊の各地に散在しているのとは対照的です。

このようにして、宗廟では、儒教の伝統に則って、先祖の王たちに祭祀を捧げる儀式が営まれてきました。


②宗廟の歴史は?

宗廟は、初代王・李成桂が漢陽(現ソウル)に遷都した1394年に着工され、翌1395年9月に完成しました。このとき建てられたのが正殿で、李成桂の4代先祖の位牌が納められました。

その後、正殿だけでは部屋が足りなくなり、1421年(世宗3年)に別廟として永寧殿が建てられました。

しかし宗廟は、豊臣秀吉の朝鮮出兵に際して1592年に破壊されたといいます。その後、1608年に再建され、時代が下るにつれ部屋の増築もなされ、現在の建物が残っています。


③正殿(チョンジョン)と永寧殿(ヨンニョンジョン)

宗廟の敷地内には、中央に最も大きな建物として正殿(チョンジョン)があり、19室に49の位牌が安置されています。この正殿の前庭には功臣堂(コンシンダン)があり、その建物の中には王のために功を立てた臣下83人の位牌も置かれています。

一方、少し離れて造られた別廟である永寧殿(ヨンニョンジョン)は、正殿より少し小さく、こちらには16室に34の位牌が安置されています。

正殿には、初代王である太祖、在位中の王の4代先祖、そして特に功績が大きい王・王妃の位牌が置かれました。一方、永寧殿には、正殿から移されて来たその他の王・王妃が置かれたといいます。

これらの建物は、各代の王の位牌を安置するための部屋を増築して造られたため、これにより韓国独自の横長の造りになったといいます。同時代の単一木造建築物としては世界最大規模だったようです。

宗廟の永寧殿
영녕전


④毎年5月に朝鮮王の祭祀「宗廟大祭(チョンミョデジェ)」が行われている

宗廟では、かつて朝鮮王たちの祭祀が営まれましたため、この儀式に用いるための建物がいくつかありました。

たとえば、正門近くにある香大庁(ヒャンデチョン)は祭祀を準備するための建物でした。続いて、斎宮(チェグン)は、 祭祀のために心身を清めるための場所です。正殿の後方には、祭祀料理を作る典祀庁(チョンサチョン)の建物があります。

宗廟では、現在でも毎年5月第1日曜日に、全州李氏の宗家によって宗廟大祭」が営まれています。

この儀式で奏でられる「宗廟祭礼楽」は、韓国の「重要無形文化財第1号」であり、2001年にはユネスコ無形文化遺産にも指定されています。

心身を清める「斎宮
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⑤平日の時間制観覧と土日祝日の一般観覧

宗廟に平日に行く場合は、専門ガイド付きの時間制観覧となっており、入場時間が決められています。外国語ガイドの中で日本語ガイド観覧の入場時間は1日4回(9:40、11:40、13:40、15:40。2022年6月21日現在)となっておりますので、時間に合わせて訪問する必要があります。

一方、土日祝日は、自由観覧が可能な一般観覧となっています。





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