とんかつと言えば、韓国では庶民フードの代表みたいな食べ物で、日本のとんかつと同じ食べ物か?と問われると、一瞬、返答に困るかもしれません。

日本のとんかつには、けっこう高級なお店もありますので、韓国に遊びに来たときに、わざわざ韓国の庶民的なとんかつを食べるようなものではないとも思います。

ただ、私のように韓国に住んでいる日本人であれば、韓国式とんかつをよく食べますし、腹を満たすのにちょうど良い料理と言えるかもしれません(笑)。

今回の記事では、韓国式とんかつは日本のとんかつと何が違うのかについて、そして、その韓国ならではの食べ方の流儀なんかも紹介してみます。




韓国式とんかつは、どこが違う?

돈가스
(原本へのリンク)


韓国にも日本と同じく「とんかつ」があって、韓国語の名前もそのまま「とんかつ(厳密にはトンカス/돈까스)」です。ただ、韓国でとんかつは、日本以上にお店で広く食べられている、ものすごくありふれた大衆的な食べ物です。

韓国のとんかつは、その名前からわかるとおり日本の由来で、韓国に入ってきたのは日本植民地時代の1930年~1940年代だったと言われます。その後、1960年代に洋食レストランで食されるようになり、徐々に大衆食堂へと普及していったようです。

現在も、韓国でよく食べられている「とんかつ」は、見た目は日本のとんかつと似ていますが、日本に比べると、肉が広く、かなり薄いです。

そんな韓国式とんかつの代表選手は、王とんかつ(ワン・トンカツ)と呼ばれているものです。これは、上の写真のとんかつを、さらに大きな皿を覆い尽くすほどに広げた一枚の巨大とんかつが乗っているもので、日本ではなかなかお目にかかることのない一品となります^^;。

付け合わせのおかずや汁物、ソースなんかも、日本のとんかつとは異なっています。韓国式とんかつは、基本的に庶民の大衆食的な位置付けですから、高級な味というのは期待すべきではないかもしれませんね。


韓国式とんかつは、なぜ薄い?〜その歴史を見てみる!〜

韓国式とんかつは、手軽に食べられる大衆食である以上、今後も半永久的に、調理に手間のかかる厚いとんかつにはなりそうにありません。ところで、なぜ今のような薄っぺらいとんかつになったのでしょうか。

韓国で、とんかつが広く知られるようになったのは、1960年代に登場した洋食レストランの影響があったと言います。この初期の頃のとんかつは、ポークカツの調理法により薄く揚げていました。当時、油をたくさん使わなくて済み、調理時間も短い方が良かったようです。さらに肉をたたいて広く伸ばすことで、大きな皿いっぱいに広がるボリューム満点のとんかつに、あえてしていたようです。要は質より量だったとようですね。

その後、韓国で洋食レストランは衰退し、韓国式とんかつの伝統(!)はキサ食堂に受け継がれます。キサ(기사)というのは韓国語で運転手を意味し、 キサ食堂というのはタクシー運転手ご用達の食堂のことです。タクシー運転手がさっと食事を済ませるため、素早く調理できるように、とんかつは一層薄くなったのだとか。

現在では、大衆向けの軽食店(韓国語で粉食屋/분식점という)で、メニューとしてとんかつを売っています。大型マートや高速道路のサービスエリアなどのフードコートでも、とんかつは定番メニューです。

ただ、近年は専門店に行けば、日本式のとんかつも食べられたりします。日本の味が恋しくなったときは、専門店を探してみましょう。

サービスエリアのフードコート
휴게소
(原本へのリンク)


韓国式とんかつの味わいと食べ方の流儀!?

韓国式とんかつなんてのは、薄くて、とんかつの邪道なんていう声も時々聞いたりするのですが、韓国の食べ物ですから、韓国ならではの味わいや食べ方があるものです。

韓国式とんかつは、ほとんどの場合、カットされずに、大きな一枚のかつとして提供されてきますので、ナイフで切って食べます。

ソースは、とんかつの上に、どっさりかかっていることが多いです。そのソースの味は、ウスターソースやとんかつソースよりも、まろやかな味わいです。
付け合わせには、キャベツの千切りのほか、キムチやたくわんが出てくるのが定番です。青い唐辛子なんかが添えられていることもあります。

スープは、みそ汁ではなく、しょうゆ味のスープやポタージュスープなんかが良く出てきます。

これらの要素がすべてそろってこそ、まさに韓国式とんかつという感じがします。ごく至って大衆的な食べ物ではありますが、なかなか美味しいですよ! 韓国入門のためには一度は食べておかないといけませんね。

最近はマートでもさまざまな冷凍とんかつが売られている
마트돈까스






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