『根の深い木(2011年)』は、李氏朝鮮の名君・世宗(在位1418年~1450年)のハングル創製事業の成否を巡って争いが繰り広げられる、歴史フィクションドラマです。

宮中でハングル創製に関わる人物が次々に殺害され、その裏で暗躍する秘密組織「ミルボン」との闘争が描かれていきます。韓国では、高い視聴率を記録しました。

以下では、本ドラマを観ようか迷っている方のために、本ドラマの概要と見どころ、ストーリー、そして主なキャストを紹介します!


根の深い木


『根の深い木』の概要や見どころは?

『根の深い木(原題:뿌리깊은 나무)』は、韓国のSBSで2011年10月より全24話にわたって放送されたドラマです。韓国のミステリー小説『景福宮の秘密コード』を原作とした歴史フィクションドラマというわけですが、ドラマの内容自体は、原作から登場人物の名前や設定を拝借して別作品に仕上げたものと言えるようです。

このドラマは、李氏朝鮮の第4代王・世宗のハングル創製の謎を明かしていくというストーリーで、世宗を韓国の名優ハン・ソッキュが演じました。ドラマの視聴率は平均視聴率18%で、第3回以降から最終回まで高い視聴率を記録しました。

ドラマのタイトルである「根深い木」は、2つの意味を含んでいます。そのうち1つは、世宗がハングル創製の翌年に編纂した歌集「竜飛御天歌(1447年)」の一節にある言葉に由来します。それは「根深い木は風に揺れず、花がよく咲き、実が多い」という一節で、王家の先祖を称え国家(木)の発展を願ったものでした。

しかし、劇中ではもう1つの意味がありました。それは、世宗がハングル創製をかけて戦う秘密組織「密本(ミルボン)」を象徴した言葉です。ミルボンとは隠された根という意味であり、ミルボンが目指したのは、国王ではなく宰相が根となる国家(木)という理念だったのです。

ドラマ『根の深い木』は、そんな国家の根本に対する理念とともに、世宗がハングル創製にかける強い想いと、それに反対する勢力との闘いを描いた、深みのあるストーリーに仕上がっています!




『根の深い木』のあらすじ、ストーリー紹介

 《公式サイトより》

1418年、譲位により朝鮮王朝4代王として世宗(セジョン)イ・ドが即位する。しかし、軍権を中心に実権は前王である太宗(テジョン)イ・バンウォンが握っていた。王権強化のため、有力な臣下をことごとく粛清してきたイ・バンウォンは、イ・ドの義父であるシム・オンとその一家を反逆罪で処刑する。シム家の使用人の息子のトルボクは幼なじみのタムと逃げ出すが、途中で離ればなれになってしまう。
月日は流れ、1446年。イ・ドが父を殺した張本人と思い込んでいたトルボクは、カン・チェユンと名を変えて、イ・ドへの復しゅうを胸に武官として宮中に勤務する。
そのころ、宮中では、イ・ドの文字創製事業に関わる人物が次々に殺害される事件が起きていた。イ・ドから直々に事件捜査を任されたカン・チェユンは、その過程で王権をけん制する秘密組織“密本(ミルボン)”との闘争に巻き込まれる一方、文字創製事業の中核を担う女官で、幼いころの記憶により口がきけないというソイが、タムであることに気付く。

https://archives.bs-asahi.co.jp/nenofukaiki/

上記は、BS朝日のウェブサイトに載っているドラマ番組紹介の抜粋です。このドラマは、第3代王・太宗(名はイ・バンウォン)から世宗(名はイ・ド)が王位を相続する1418年に始まります。

このドラマの概観を理解するためには、まず、世宗の父親であった太宗イ・バンウォンという人物を知っておく必要があります。太宗は、かつて王位に上るために数多くの兄弟や官僚たちを粛清した人物です。ドラマの最初の方でも、そうした太宗の残酷さが描かれています。

そんな太宗の姿を反面教師として、王位についた世宗イ・ド「文による統治」を自らの理想として目指していきます。このため、優秀な若者の育成機関として集賢殿(チッピョンジョン)の設置を決め、ハングル文字の創製事業も進めていくわけです。

さらに、もう一人、忘れてはいけないのが、歴史上の実在人物であるチョン・ドジョンです。この人物はドラマの開始時点で既にこの世を去っていますが、秘密組織「密本(ミルボン)」の結社に深い関係のある人物です。

チョンドジョンは、かつて李氏王朝建国の最大の立役者となった宰相でした。しかし、ドラマが始まる20年前の1398年に、王位継承の争いをする太宗によって殺害されました。このチョン・ドジョンの国造りの意志を受け継ぐ秘密組織が「密本(ミルボン)」ということになります。

つまり、まとめると太宗は強い王権の国を目指し、これに対し世宗は文による統治と民のために文字創製事業を進め、それに対抗して秘密組織「密本」は文字創製事業を国の秩序を乱すものとして妨害していくことになります。

このようにドラマは世宗の王位即位の頃に始まりますが、その後、月日が流れ、物語の大半は、1446年のハングル文字創製(訓民正音)の頃を舞台として展開していきます。世宗と、世宗を支える周辺の人物、そして世宗の文字創製事業を恐れ、妨害するミルボンとの闘いが描かれていくわけです。

ドラマの舞台となった歴史

1398年、鄭道伝の殺害(第一次王子の乱)
1400年、父、第3代王・太宗即位(第二次王子の乱)
1418年、世宗が第4代王に即位
1420年、集賢殿を再編、母死去(享年55歳)
1422年、父・太宗死去
1446年、訓民正音
1447年、「竜飛御天歌」編纂

1450年、死去(享年53歳)


『根の深い木』の主な登場人物/キャストの紹介

人物相関図はこちら


◆世宗イ・ド<演-ハン・ソッキュ、ソン・ジュンギ(青年時代)>
朝鮮王朝の第4代王。父・太宗(テジョン)とは異なる王の姿を目指す。民を愛し、民の言葉を愛し、身分の低い者にも対等に接することを望む慈愛深い王。民のために新たな文字を作ろうと極秘計画を立ち上げるが、それを阻止しようとする勢力によって側近が次々と暗殺される。


◆カン・チェユン<演-チャン・ヒョク/장혁>
元の名はトルボク。世宗の義父であるシム・オンの家の奴婢。父が無念の死を遂げ、その元凶が国王であると思い込む。北方で武官として身を立て、師匠イ・バンジから武芸を伝授される。カン・チェユンと名を変え、国王イ・ドへの復讐心を胸に親衛軍(兼司僕/キョムサボク)として王宮に入るが、イ・ドから連続殺人事件の捜査を任される。

◆ソイ<演-シン・セギョン>
元の名はタム。シム・オンの家の奴婢の娘で、トルボクの幼なじみ。シム家が反逆事件に巻き込まれた際に、世宗(セジョン)の王妃・昭憲(ソホン)王后にかくまわれるが、その時の衝撃で口がきけなくなってしまう。ソイと名を変えて広平大君(クァンピョンデグン、イ・ドの五男)付きの女官になり、イ・ドの文字創製事業の中核人物となる。一度目にしたものは何でも記憶できる能力を持つ。

◆太宗イ・バンウォン<演-ペク・ユンシク>
世宗の父で朝鮮王朝3代王。息子イ・ドに譲位後も実権を握り続ける。建国間もない朝鮮王朝の基盤を築き、王権強化を図るために、側近や身内を容赦なく粛清。その刃は息子イ・ドにも向けられる。


◆ムヒュル<演-チョ・ジヌン>
世宗イ・ドの護衛武官。イ・ドが最も信頼し、またイ・ドに最も忠誠を尽くす。朝鮮随一の剣の腕を持つ。

◆広平大君<演-ソ・ジュニョン>
世宗イ・ドの五男。ソイを配下の女官に持ち、イ・ドの文字創製事業を積極的に助ける。

◆カリオン<演-ユン・ジェムン>
泮村(パンチョン)に住み、食肉の加工を生業とする白丁(ペクチョン)。都で随一の検死技術を持ち、世宗(セジョン)イ・ドからも厚い信任を受ける。




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