今年2025年、韓国では尹錫悦(ユン・ソンヨル)大統領の弾劾裁判が行われました。
この弾劾裁判が行われたのが「憲法裁判所(헌법재판소)」ですが、日本にはない裁判所なので、そのイメージがつかみにくいと思います。
以下、韓国の憲法裁判所についてさくっと調べてまとめてみましたので、ご参考ください。
【目次】
(原本へのリンク)
憲法裁判所とは?
韓国の憲法裁判所は、韓国の民主化宣言の時期である1988年に設立された裁判所で、比較的歴史が浅いです。それまで韓国は軍事政権の時代で、大統領に集中する国家権力の濫用を防ぎ、国民の権利を保護する制度が必要とされました。そのための裁判機関として、現行憲法にあたる第6共和国憲法の制定に基づき、憲法裁判所が作られました。
裁判所は9人の裁判官で構成され、そのうち3人は大統領が指名しますが、他の3名は国会から選出され、残りの3名は大法院長(最高裁長官に相当)が指名するとしています。これにより、権力構造の分散が図られています。
韓国の憲法裁判所は「ドイツ型」のモデルを参考にしており、ヨーロッパの多くの憲法裁判所と似た構造を持っています。ただし、韓国の憲法裁判所には以下の役割があり、韓国の歴史的かつ政治的背景により弾劾審判や政党解散審判などの独自の役割を持っています。
- 違憲審査
- 弾劾審判
- 政党解散審判
- 権限争議の解決
- 憲法訴願
憲法裁判所に関する韓国憲法の内容
〇憲法裁判所による政党の解散
憲法第8条第4項④政党の目的や活動が民主的基本秩序に反するときは、政府は憲法裁判所にその解散を提訴することができ、政党は憲法裁判所の審判によって解散される。
〇国会による憲法裁判所裁判官の訴追
憲法第65条第1項①大統領・国務総理・国務委員・行政各部の長・憲法裁判所裁判官・裁判官・中央選挙管理委員会委員・監査院長・監査委員その他法律が定めた公務員がその職務執行において憲法や法律に違反したときは、国会は弾劾の訴追を議決することができる。
〇裁判での憲法裁判所への提請
憲法第107条①法律が憲法に違反するかどうかが裁判の前提となった場合には、裁判所は、憲法裁判所に提請して、その審判によって裁判する。
②命令·規則または処分が憲法や法律に違反するかどうかが裁判の前提になった場合には、最高裁(大法院)はこれを最終的に審査する権限を持つ。
〇憲法裁判所の役割
憲法第111条第1項①憲法裁判所は、次の事項を管掌する。
1. 裁判所の提請による法律の違憲該非の審判
2. 弾劾の審判
3. 政党の解散審判
4. 国家機関相互間、国家機関と地方自治体間及び地方自治体相互間の権限争議に関する審判
5. 法律の定める憲法訴願に関する審判
〇憲法裁判所裁判官の任命
憲法第111条第2~4項②憲法裁判所は、裁判官の資格を持つ9人の裁判官で構成し、裁判官は大統領が任命する。
③第2項の裁判官のうち3人は国会で選出する者を、3人は最高裁判所長官が指名する者を任命する。
④憲法裁判所の長は、国会の同意を得て、裁判官の中から大統領が任命する。
〇憲法裁判所裁判官の任期等
憲法第112条①憲法裁判所裁判官の任期は6年とし、法律の定めるところにより、再任することができる。
②憲法裁判所裁判官は、政党に加入したり政治に関与することはできない。
③憲法裁判所裁判官は、弾劾又は禁錮以上の刑の宣告によらなければ、罷免されない。
〇憲法裁判所における決定や手続き
憲法第113条①憲法裁判所において、法律の違憲決定、弾劾の決定、正当解散の決定又は憲法訴願に関する認容決定をするときは、裁判官6人以上の賛成がなければならない。
②憲法裁判所は、法律に抵触しない範囲内で、審判に関する手続、内部規律及び事務処理に関する規則を制定することができる。
③憲法裁判所の組織と運営その他必要な事項は法律で定める。
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