平昌(ピョンチャン)は、韓国ソウルからはるか東方にあって、2018年に冬季オリンピックが開かれた地。「平昌郡」と呼ばれるその地域は、自然豊かな高原地帯にあって、古くからスキー場や牧場などのスポットがありました。その周辺には多くの宿泊施設も集中しているため、季節を問わず休日には、たくさんの観光客が押し寄せます。

ソウル駅からはKTX(韓国高速鉄道)も出ており、約1時間半ほどで行くことができます。ただし、平昌へは高速道路でのアクセスも良く、車で行った方が平昌各地のスポットを巡るのには便利だと思います。

今回の記事では、そんな平昌の魅力や平昌に行く前に知っておきたいことをご紹介します。

평창사진
(原本へのリンク)



「平昌」ってどんなところ?どこにあるの?

韓国では、週末や連休になると余暇を楽しむために、韓国の首都ソウルから東方の江原道へと向かう高速道路が多くの車で混み合います。そのまま高速道路を東の海岸まで抜けると江陵(カンヌン)という観光地にたどり着きますが、江陵に入る前の通り道に平昌(ピョンチャン)は位置しています。
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平昌という地域は、正式には、江原道(上の地図の濃いグレーの地域)の中南部に位置する「平昌郡」という郡です。平昌郡は山地の中にあって、その平均高度は海抜600mほどで、韓国で最も寒い地域とも言われます。

平昌郡の北側のエリアに、嶺東(ヨンドン)高速道路と、韓国高速鉄道である京江線(KTX、2017年末開通)が東西を貫通するように走っています。その通路の東端の地域に大関嶺(デグァンリョン)という峠があり、そこを越えて東側の江陵へと抜け出ることができます。

「平昌」という地名は、高麗時代から用いられたと伝わっていますが、自然豊かな高原地帯にあって人口も少なかったためか、特筆すべき歴史的出来事はほとんどなかったようです。

そんな平昌も、2018年、アジアで3番目となる冬季オリンピックの開催によって、世界的にその名が知られるようになりました。その後も、平昌は江原道における主要な観光地の一つとなっており、多数の宿泊施設やスキー場、牧場などの観光・レジャースポットが存在しています。これらのスポットは、平昌郡の北側のエリアに集中しており、季節を問わず休日にはたくさんの観光客が訪れています。

  • 名称:平昌郡(読み方:ピョンチャンぐん)
  • 面積:約1,464平方km(地図)
  • 人口:約4.1万人(2021年7月)
  • 編成:1つの邑と7つの面
  • KTX:平昌駅、珍富駅(ソウル駅から約1時間半)
  • 高速バス:横渓(フェンゲ)市外バスターミナルあり(東ソウル総合バスターミナルから約2時間半)
  • 空港:襄陽(ヤンヤン)国際空港より車で約1時間
  • 高速道路:嶺東高速道路(綿温-長坪-束沙-珍富-横渓)

平昌に行く前に知っておきたい4つのこと!その魅力は?

①高原地帯で夏は快適、冬は韓国最寒の地!

平昌は韓国北部の山間に位置しているため、年間を通して気温が低く、夏は涼しいですが、冬は寒さが非常に厳しく積雪も多いと言われます。特に、平昌郡東部にある大関嶺地区は、標高が850~1470mの高原であり、韓国最寒の地とされています(1月の平均気温は-7.6℃、8月の平均気温は19℃)。

そんな平昌は「Happy 700」というブランドイメージを売りにしており、それによると海抜700mが身体に快適な幸せ高度なんだとか。ただし、平昌で山を登り標高の高い地点に向かう際には、夏であっても気温が下がるので、寒さへの対策はお忘れなきように!
Happy700

②朝鮮時代から人々が往来した交通の峠「大関嶺」

韓国で東側の海へ出るためには、太白山脈を越えて行かなければなりません。北朝鮮の領域から釜山に至るまで、南北に500km以上にわたって太白山脈は走っています。

平昌の地域は、この太白山脈の西側に位置しています。このため、李氏朝鮮時代には、首都・漢陽(ソウルの旧名)から東方へ進み、最後に「大関嶺」の峠を越えることで、江陵へと至る交通路となっていました。

大関嶺は、朝鮮時代には横渓(フェンギェ、횡계)駅という旅行者の憩いの場になっており、現在も横渓市外バスターミナルが立地しています。

太白山脈
태백산맥
(原本へのリンク)

③太白山脈系の山々と自然豊かな観光スポット

平昌は、太白山脈に属する、五台山、発旺山、加里旺山と言った山々が有名です。

そうした山の斜面を利用して、スキー場が作られています。また、ロープウェイが設置された山もあり、そうした山を登って行けば、見晴らしのよい壮大な絶景を楽しむことができます。山中の広大な高原にあって風力発電用の巨大風車や牧場が設置されているエリアは、日常生活から離れた自然の風情を楽しむことできます。

さらに、平昌北部にある五台山の一帯は国立公園となっており、その山中にある月精寺というお寺が有名です。

そうした風景は、冬になれば、絶景の雪景色が広がる高原へと変わります。

④そば、山菜、韓牛、タラの干物

平昌は、その豊かな自然環境を生かして、蕎麦や山菜、韓牛(肉牛)の産地となっています。こうした食材を生かした食堂が各地にあり、私も平昌の韓国そば麺(メミルククス)を堪能したことがあります。
また、日本海側で採れるスケソウダラを干したファンテ(황태)も特産品の一つで、韓国国内の70%以上のファンテが平昌で作られていると言います。平昌で、ファンテのスープ(ファンテグク、황태국)を召し上がってはいかがでしょうか。


平昌の観光スポットをおさらい!

①三大スキー場

  • フェニックスパーク:平昌五輪のスノーボード競技が行われたスキー場があり、平昌郡の西部に位置する。そのほかにゴルフ場、ウォーターパーク、宿泊施設が集まる(韓国語HP)。
  • 静江園(チョンガンウォン):韓国料理作り体験ができ、飲食博物館や韓屋宿泊施設などがある韓国伝統飲食文化体験館
  • アルペンシアリゾート:平昌五輪のメイン会場となった地で、平昌郡の東部・大関嶺地区に位置する。スキー場、ゴルフ場、ウォーターパーク、宿泊施設が集まる(韓国語HP)。
  • 龍平(ヨンピョン)リゾート:1975年に開業されたスキー場で、アルペンシアリゾートの南側に位置し、「ドラゴンバレー」とも言われる。ゴルフ場、ウォーターパーク、多数の宿泊施設が集まる。発王山(パルワンサン)の頂に直行するケーブルカーも運営されている。ドラマ『冬のソナタ』や『トッケビ』のロケ地の一つ(韓国語HP)。

②大関嶺地区(東部)

  • 大関嶺羊牧場(대관령 양떼목장):高地にある羊牧場
  • 大関嶺空の牧場(대관령 하늘목장):高地にある牧場
  • 三養大関嶺牧場:標高850m - 1470mの高原に広がる大規模な草原牧場

③五大山地区(北部)

  • 五大山(오대산)国立公園 
  • 月精寺(월정사):新羅時代の643年に建てられたと伝わる山間の寺。寺の建物とともに国宝第48号の八角九層石塔がある。渓谷の道に沿って、もみの木林を散策でき、自然を堪能できる。料金は少し高め。
  • 韓国自生植物園(한국자생식물원):韓国固有の植物を集めた植物園

平昌の参考サイト

平昌公式サイト(韓国語)


平昌公式サイト(日本語)


韓国観光公社公式サイト(日本語)


韓国民族文化大百科事典(韓国語)








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