江原道(カンウォンド)の海に遊びに行きたい!そんな方にお勧めできるのが、今回紹介する江原道東海岸の代表都市「江陵(カンヌン/강릉)」です。
ソウルからはKTXに乗って江陵駅まで1時間半ほどで行けますので、アクセスも良いです。ホテルなどの宿泊施設も多く、1泊・2泊すれば、そこから海・湖・山々の四季折々の自然や歴史スポットなどを回ることができます。
今回は、そんな江陵に観光に行く前に知っておきたいことして、江陵の魅力やその歴史、そして観光スポットについてお伝えします。
【目次】
江陵駅
歴史ある海と湖の観光地「江陵」
江陵(カンヌン)は、江原道の東海岸の都市で、美しい海や湖、そして山々に囲まれた、自然豊かで歴史ある人気観光地です。江原道の三大都市(ほかは春川と原州)のひとつであり、江原道東海岸では最大の街でもあります。韓国では週末や連休になると、江原道の海へと遊びに行く車で大変にぎわいます。江陵は、その中でも大人気の観光エリアです。
江陵の海岸エリアとしては、市の中心部からほど近く鏡浦(ギョンポ)湖のある鏡浦海岸と、南方方面にあって韓国有数の日の出の名所である正東津(ジョンドンジン)が有名です。市の北側には、水産市場やBTSで有名な注文津(チュムンジン)という港もあります。
江陵市へは、KTXや高速バスに乗って市街地まで行くことができます。海側の地方都市ですので、大都市圏のような混み合った感じはなく、街並みは東側の海に向かって開けていて、少し閑散とした感じがするかもしれません。
市街地の駅やバスターミナルから電車やバスに乗って海岸方面へと出て行けば、季節を問わず開放的な海の風景を楽しむことができますし、天気の良い早朝には日の出を拝むことができます。もちろん夏場なら海水浴場が各所で運営しています。
江陵は、朝鮮時代は地方行政の中心都市であったため、市街地近辺には朝鮮時代の歴史的スポットもあります。朝鮮時代の建物に由来する烏竹軒(オジュッコン)や船橋荘(ソンギョジャン)が有名ですね。
- 名称:江陵市(読み方:カンヌンし)
- 面積:約1,041平方km(→コネスト地図)
- 人口:約21万人(2022年3月)
- 編成:1つの邑(町)と7つの(村)と13つの洞(町丁)
- 鉄道(KTX):江陵駅(ソウル駅から約1時間半)
- 高速バス:江陵高速バスターミナルあり(ソウルから約2時間半)
江陵に行く前に知っておきたい8つのこと!
①朝鮮の人々に古くから愛された「鏡浦(ギョンポ)湖」!
江陵駅のある市街地から北へ約6kmほど行くと、江陵を象徴する湖が見えてきます。この湖は、砂州により海がせき止められてできた自然の潟湖で、そのまま海へとつながっています。水面が鏡のように見えることから「鏡浦湖(ギョンポホ/경포호)」と名付けられています。この湖の北東側が海に隣接しており、そこには江陵のランドマークともいえる20階建てのスカイベイホテルがそびえ、最上階は展望台ラウンジになっています。海側は砂浜が広がる鏡浦海水浴場があります。
鏡浦湖は周囲4.3kmで、お店で自転車をレンタルして湖の景色を眺めながら周回することもできます。湖の西側にある小高い丘には鏡浦台(ギョンポデ/경포대)という朝鮮時代からの楼閣があり、ここから湖を一望できます。春には鏡浦桜祭りも開催されていますよ。
海側から見た鏡浦湖
②朝鮮時代の史跡「烏竹軒(オジュッコン)」!
江陵市街地から北の鏡浦湖に向かう途中に、江陵の代表的な歴史スポットである「烏竹軒(オジュッコン/오죽헌)」があります。カラスの竹の家という意味のこの場所は、朝鮮時代の著名な儒学者の家で、その名前のとおり建物の周りに黒竹が生えていることで有名です。もともと江陵は、古くから地方の行政機関である江陵大都護府が置かれていました。このため、江陵の市街地には朝鮮時代の史跡がいくつか残っています。その中で、もし一つをお勧めするとすれば、烏竹軒になると思います。
烏竹軒は、李氏朝鮮初期の1450~1500年頃に建てられたとされ、朝鮮時代を代表する儒家・栗谷李珥(ユルゴッ・イイ)とその生母の申師任堂(シンサイムダン)の生家でした。この2人は、順に5千ウォン札と5万ウォン札の肖像になっています。
烏竹軒は1992年11月15日に開館しました。その広い敷地内には、江陵市立博物館や郷土民俗館も併設されています。
烏竹軒
③韓国随一の日の出の名所「正東津(ジョンドンジン)」!!
江陵市の東海岸沿いは様々な観光スポットが点在していますが、その一つに、日の出の名所として超有名な「正東津(ジョンドンジン/정동진)」があります。毎年1月1日になると、この海浜は初日の出を見る人々の群れで大いに賑わいます。この正東津という名前は、ソウル市の光化門(景福宮の正門)から真東にあることに由来するといいます。正東津は、市街中心部にある江陵駅から南東へ14kmほどに位置し、在来線である嶺東線(ヨンドンソン)に乗って電車で行くことができます。正東津駅は、韓国で一番海に近い駅として知られています。
海岸線に沿って広がる正東津の砂浜では、夏は海水浴を楽しむこともでき、海岸に沿って走るレールバイクに乗ることもできます。
砂浜に隣接して砂時計公園があります。この公園は、1995年にヒットした韓国ドラマ「砂時計(モレシゲ)」のロケであったことから作られました。海岸に沿って南方には、小高い山の上の豪華客船のホテルが見えます。
その他にも正東津エリアには、いくつかの観光スポットがありますので、ぜひ下調べをしてから行ってみてはいかがでしょうか。
正東津海岸から南方の眺め
④水産市場やBTSで有名な注文津(チュムンジン)
正東津のある方面とは反対に、江陵市の北のはずれの海側には、注文津(チュムンジン/주문진)という港があります。江陵市街地より北側へ約15kmほどの位置です。注文津は、特別な目的をもって行くスポットと言えるかもしれません。というのも、このエリアには韓国の大人気ドラマ『トッケビ』の印象的なシーンの撮影地となったトッケビ防波堤や、BTSのジャケット撮影地であるBTSバス停があります。
注文津には港があるだけあって、水産市場が有名です。注文津に行ったら、韓国の刺身を食べなければなりませんね!
トッケビ防波堤
⑤海列車(パダヨルチャ)で1時間の海の旅を!
江陵駅から列車に乗って、海岸線沿いを南へ向かい、列車の中から四季折々の海の景色を眺めることができるのが「海列車(パダヨルチャ/바다열차)」です。江陵駅を始発とし、正東津駅を経て、三陟(サムチョク)海辺駅に至るまで、片道約1時間10分の海の旅です。4両編成の車両の中で、座席は海側を向いています。カップルのための特別なプロポーズ室や、テーブルのある家族席もあり、カフェテリアも設置されています。
⇒公式サイト(韓国語):http://www.seatrain.co.kr/
⑥江陵コーヒーが有名!テラロッサの発祥の地!
近年、韓国のコンビニでも「江陵コーヒー」という名前のコーヒーが売られているほど、江陵といえばコーヒーのブランドで有名です。今では韓国の各地にある大型カフェ「テラロッサ」の発祥の地が、江陵にあったコーヒー工場でした。そのほか江陵には、コーヒー農園もあり、安木(アンモッ)海水浴場の近くにある安木カフェ通りも有名です。2009年より毎年10月頃には、江陵コーヒーフェスティバルも開かれています。
もともと江陵には、新羅時代からのお茶の文化があったと伝わっており、近代になって海外からコーヒーが流入したことで、この地に韓国の文化人が江陵独自のコーヒー文化を誕生させたといわれています。
コンビニなどで市販の「江陵コーヒー」
⇒参考リンク:「江陵コーヒー」
⑦北の潜水艦が座礁した「江陵浸透事件」
江陵は、北朝鮮の国境から遠くはない東海岸に位置しているため、過去に北朝鮮軍が海から侵入した歴史が残っています。1950年6月25日に始まった朝鮮戦争で北朝鮮軍が上陸したのが江陵でした。1996年には江陵沖で北朝鮮の潜水艦が座礁する事件も起こっています。この事件は「江陵浸透事件」と呼ばれ、1996年9月18日に、韓国内に潜入していた工作員を回収しに来た北朝鮮の特殊潜水艦が沖合で座礁しました。帰国手段を失った乗組員と工作員の計26名は、韓国内に逃亡・潜伏しました。韓国は軍や警察を動員して掃討作戦を開始し、11月7日にこの作戦は終了しました。
正東津のエリアにある江陵統一公園には、このとき座礁した北朝鮮の潜水艦が提示されています。そのほか公園には戦車、飛行機、艦艇なども展示されており、戦争と民族分断の歴史を感じるスポットです。
江陵統一公園
⑧映画『狼たちの墓標』
2021年11月10日に韓国で公開された映画が、その名もずばり『江陵』です。江陵最大のリゾート建設を巡って、2つの組織の野望や陰謀、背信を描く犯罪アクションです。ただし、残念ながら、韓国での興行成績は良くなかったようです。日本では『狼たちの墓標』というタイトルで、2022年5月27日の公開予定となっています。
江陵の観光スポット
市街エリア
⇒参考リンク:江陵市ホームページ「市内」
鏡浦エリア
- 烏竹軒(オジュッコン):朝鮮時代の史跡で、甲師任堂と息子・栗谷李珥が生まれた場所。広大な敷地内に、博物館などもある(公式サイト)
- 船橋荘(ソンギョジャン):朝鮮後期の典型的な士大夫の邸宅(公式サイト)
- 鏡浦湖:海に面した江陵を代表する潟湖
- 鏡浦台:小高い丘の上にある朝鮮時代の楼閣で、湖を一望できる
- 鏡浦海岸:砂浜海岸で、夏は海水浴場になる
- 鏡浦生態湿地園:鏡浦湖の自然が保存された公園
- 江陵オリンピック公園
- チャムソリ蓄音機 • エジソン映画博物館
- 許筠 • 許蘭雪軒記念公園
- 草堂(チョダン)スンドゥブ村:海水を使った豆腐料理が食べられる郷土料理店が集まる
⇒参考リンク:江陵市ホームページ「鏡浦圏」
正東津エリア
- 正東津駅:韓国で最も海に近い駅
- 正東津海水浴場:日の出の名所
- 砂時計(モレシゲ)公園:海水浴場に隣接する公園
- 正東津レールパーク:海浜沿いに沿って走るレイルバイク
- サンクルーズリゾート:小高い丘の上にそびえる陸上豪華客船
- ハスラ(하슬라)アートワールド:彫刻庭園が造られた文化芸術を兼備した芸術公園
- 正東深谷パダプチェ道:景観のよい岩場海岸に設置された遊歩道
- 江陵統一公園:陸軍戦車、野砲などを展示した野外公園
- ホナ路:海岸沿いのドライブコース
⇒参考リンク:江陵市ホームページ「正東津 · 玉渓圏」
注文津方面およびエリア
- 注文津水産市場:注文津港で引き揚げられた新鮮な魚の刺身を楽しむことができる
- トッケビ防波堤:韓国ドラマ『トッケビ』の撮影地
- BTSバス停:BTSのジャケット撮影地
- ハッピーアワークルーズ:注文津港から出ている高級クルーズ
- 不思議な魔法学校:魔法をテーマとして体験学校
- 森サラン広報館:2000年の東海岸山火事の教訓を伝える教育的広報館
⇒参考リンク:江陵市ホームページ「注文津圏」
江陵への行き方(リンク)
江陵行きのKTXや高速バスに乗って、江陵の市街地に入ることができます。以下を参考。江陵のお勧めサイト
コネスト「江陵旅行ガイド」
江陵市ホームページ(日本語)
韓食ペディア「江陵市の料理」
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