全州(전주/チョンジュ)は、韓国の南西部・全羅北道の中心都市であって、その市内にある全州韓屋村は多くの伝統的家屋が立ち並び、韓国有数の観光地になっています。

そんな全州は、韓国高速鉄道(KTX)や高速バスでも行きやすく、徒歩でも市内を回りやすいので、ちょこっと日帰り観光もできてしまいますが、全州ならではの伝統韓屋の宿に1泊することもお勧めの観光都市です。

今回は、全州に観光に行く前に知っておきたいことして、全州の魅力や歴史、そして観光スポットについてお伝えします。



全州駅
전주역
(原本へのリンク)


「全州」はどんなところ?

全州(チョンジュ)は、ソウルから南へ約230kmのところにあって、東・南・西の三方が山に囲まれた平野部に位置する全羅北道の中心都市です。

朝鮮王朝(1392年~1910年)の建国者である李成桂の本貫(故郷)の地として知られ、朝鮮王朝が開かれた直後から全羅道の官庁が置かれた首府となりました。古くから栄えた街であったわけです。

かつては全州府城という城壁で囲まれていましたが、現在は四大門の1つである豊南門のみが残っています。その旧市街には古い伝統的な街並みが「全州韓屋村(ハノンマウル/한옥마을)」として保存されており、そこに700軒以上の韓国伝統家屋が集まって観光都市になっています。

全州韓屋村の一帯は、徒歩圏内にたくさんの観光スポットが点在しているため、徒歩で十分楽しめるエリアです。そんな全州は、古い時代の建物や遺物と、新しい現代的なスポットが混在し、「味の都」としてグルメも楽しめるところ!

宿所としてホテルも良いですが、伝統的韓屋の建物に泊まれば、全州観光の気持ちも高まるに違いありません。全州は地方都市のため、KTXや高速バスでの交通アクセスも良いですので、ぜひ一度行ってみてはいかがでしょうか。

  • 名称:全州市 (読み方:チョンジュし)
  • 面積:約206平方km
  • 人口:約65.8万人(2021年1月)
  • 編成:2つの区と40つの洞
  • 鉄道(KTX):全州駅(ソウルの龍山駅から約1時間30分)
  • 高速バス:全州バスターミナルあり

全州市




全州に行く前に知っておきたいこと!


①朝鮮王たちの想いが宿る故郷の地!~慶基殿~

朝鮮王朝の初代王・李成桂の本貫は全州李氏と言われています。つまり朝鮮王朝にとって全州は、「王たちの故郷」として特別な場所でした。

朝鮮王朝が建国された20年後の1412年、第3代王・太宗は、全州・慶州・平壌の3つの地方に李成桂の肖像画(「御真(オジン/어진)」と言う)を祀るための建物を建築しました。それらは当初「御容殿(オヨンジョン/어용전)」と呼ばれていましたが、1442(世宗24)年、全州の御容殿「慶基殿(キョンギジョン/경기전)」と名づけられました。

現在も全州韓屋村にある建物の中で大きな存在感を放つ慶基殿は、秀吉による朝鮮出兵の際に焼失した後、1614(光海君6)年に再建されたものと言います。その敷地にいくつかある建物のうち、本殿には李成桂の肖像画が飾られています。敷地内には御真博物館もありますので、寄っていくのがいいでしょう。

慶基殿
경기전
(原本へのリンク)


②伝統的街並みを偲ばせる全州韓屋村!

全州に遊びに行くということは、全州韓屋村(ハノンマウル/한옥마을)に行くと言って間違いありません。

1977年に国から韓屋保存地区に指定されたこのエリアには、700軒を超える韓国伝統家屋が立ち並んでいます。全州韓屋村には実際に生活している人もいるため、そうした韓屋の並ぶ空間がそのまま観光地にもなっている感じです。

全州韓屋村には、たくさんの観光スポットが点在しており、徒歩で回ることができます。歴史的スポットとしては、かつて全州府城の四大門の1つであった豊南門、外国人をもてなす迎賓館であった全州客舎(ケクサ/객사)、儒教の学校であった全州郷校などがあり、それらの姿から古き全州の様子をうかがい知ることができると思います。

全州韓屋村の西側には、朝鮮時代の三大市場の1つと言われる全州南部市場もあります。そのほかにも、小高い丘である梧木台(オモッテ/오목대)に登ってみれば、韓屋村全体を一望できる展望スポットもあります。

전주한옥마을
(原本へのリンク)


③全州は「食の都」!

全州は肥沃な平野部の穀倉地帯にあって、昔から食文化が発達してきたと言われています。そんな「食の都」である全州では、さまざまな韓国の伝統食を味わうことができるのも楽しみの一つです。

その中でも韓国料理としてお馴染みのビビンバは、全州が発祥の地です。韓国のビビンバにはいくつか種類がありますが、最も普通に食べられているのが、正確には「全州ビビンバ」というわけです。

豆もやしスープご飯(コンナムルクッパ/콩나물국밥)も、韓国ではよく食べられていますが、これも全州生まれの料理なのだとか。その他にも、全州市内にはマッコリタウンが点在しており、マッコリを堪能するのも全州の魅力と言えるでしょう。

전주비빔밥
(原本へのリンク)


④毎年、国際映画祭が開かれる映画の街

全州では、2000年から毎年、ゴールデンウィークの頃になると、全州国際映画祭(JIFF)が開催されています。このため、全州には、映画にまつわる通りやスポットが存在します。

全州韓屋村の北側に、映画館が集まる映画通りが、まさにそれです。そこにある全州映画制作所では、さまざまな映画を楽しんだり、映画体験や、映画に関する資料を閲覧できたりもします。全州のもう一つの楽しみと言えます。

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(原本へのリンク)


⑤かつて後百済時代の都でもあった

全州は、古くは「完山(ウァンサン/완산)」と呼ばれ、後百済時代(900年~936年)の首都でもありました。

このため全州市の南東の山は、後百済時代の山城「東固山城」があった場所です。後百済の短い37年の歴史が宿るところであります。こうした歴史のため、全州市内の博物館には百済時代の遺物が展示されていたりもします。



全州の観光スポット

全州観光地図は→リンク

全州韓屋村エリア

  • 慶基殿:李成桂の肖像画を収めるために建てられた歴史的建物
  • 殿洞教会:20世紀初頭に建てられたカトリック教会
  • 全州客舎:外国からの使者・客をもてなした歴史的迎賓館
  • 客理団キル:カフェやレストラン、酒場の集まる、近年話題の通り
  • 豊南門:全州府城の四大門の一つ
  • 全州南部市場:朝鮮時代からの歴史を持つ伝統市場
  • 梧木台:小高い丘の上にあって、李成桂が戦勝の宴会を開いたと伝わる場所。韓屋村が一望できる
  • 全州乱場(ナンジャン/난장):1970〜80年代の当時の様子を再現した体験型施設
  • 全州郷校:朝鮮時代に儒学を教える学校
  • チャマン壁画村:韓屋村の東側にあって、多くの建物の壁に壁画が描かれている一角


全州市内

  • 全州映画制作所:映画の鑑賞や体験ができるほか、映画にまつわる資料を展示している(公式サイト)
  • 東固山城:市街地の東側にあって、後百済時代の山城があった場所
  • 完山公園:市街地の南西にある丘にあって花の咲く公園となっている。完山七峰とも言う。
  • 三川洞マッコリタウン:完山のさらに西にある、全州を代表するマッコリタウン
  • 国立全州博物館:市街地の西側にある博物館で、百済時代の遺物中心(公式サイト)
  • 全州歴史博物館:甲午農民戦争などの全州の歴史を紹介。国立全州博物館と同じ敷地内にある(公式サイト)
  • 全州樹木園:市街地の北西側にあって、韓国道路公社が一般公開している樹木園(公式サイト)。

全州郊外

  • 馬耳山(マイサン/마이산):馬の耳に見える奇山。東へ車で約1時間ほど行ったところにある。





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