韓国ソウルの中心部に位置する李朝の王宮「景福宮(キョンボックン)」。その正門前に広がる都市公園が、今回紹介する「光化門(クァンファムン)広場」です。
かつて王宮に入っていくための、その“政治的な道”は、現代になって2009年に公園化されました。そして2022年8月にリニューアルしたその広場は、都市の中で休息や散策ができる空間として、より広く魅力的になりました。
今回は、そんな光化門広場がどんなところであるか、その昔と今の姿を、ざっくり紹介していきます!
【目次】
(原本へのリンク)
景福宮前の「光化門広場」はどんなところ?
もし韓国ソウルの中心がどこかと尋ねられたとしたら、いろいろ意見があると思いますが、今回紹介する光化門(クァンファムン/광화문)広場を挙げてみたいと思います。そこは、李氏朝鮮時代の正宮・景福宮の正門「光化門」の真正面から、南へと真っ直ぐ伸びる都市型の広場です。この広場のある場所は、李氏朝鮮時代は六曹通り(ユッチョコリ/육조거리)と呼ばれ、光化門へ続く大通りでした。そこは首都・漢陽(ハニャン)の中心通りでしたが、現代でも、光化門広場のすぐ南側には、1914年以来、韓国の道路の起点であることを表す道路元標(도로원표)が置かれています。
かつてのその道は、今は世宗大路(セジョンデロ/세종대로)と呼ばれています。この道に並行して光化門広場があり、広場の敷地内に朝鮮時代の名君・世宗(セジョン)大王の銅像もあります。
光化門広場には、もう一人の朝鮮時代の英雄・李瞬臣(イ・スンシン)将軍の銅像も立っています。この2人の銅像があることからわかるように、光化門広場は、韓国の古き伝統が息づく場所だといえます。
光化門広場の周辺には、景福宮方面の背後に、大統領府だった青瓦台の建物が見えます。南へ10分ほど歩いていけば、ソウル市庁もあります。広場周辺には、アメリカ大使館や日本大使館なども位置しています。こうした韓国政治の中心地で、これまで多くの市民集会やデモが行われてきました。
現在の光化門広場は、2009年に世宗大路の車線の一部を公園化し、さらに2022年8月に公園を拡張・リニューアルしたものです。
光化門広場は、景福宮に行く際に、必ず散策すべき公園です!!
光化門広場のまとめ
光化門広場の歴史~昔と今の姿~
李氏朝鮮時代の六曹通り、韓国建国後に車道となった世宗大路、そして公園化された光化門広場と、その姿は変遷してきました。何度も工事がなされてきたことを考えると、韓国での光化門広場への愛情が伝わってくるように思います。①李氏朝鮮時代(1392年~1910年)
景福宮は、李氏朝鮮の初代王・李成桂(イ・ソンゲ)によって、1395年に創建されました。その後、朝鮮出兵に際して、1592年に光化門は火災により焼失してしましたが、その後も光化門前の道は六曹通りとして、官僚たちが集まる中心官庁街だったといいます。。廃墟となっていた景福宮は、朝鮮末期の1865年になって、高宗の父である興宣大院君によってようやく再建を果たしました。
朝鮮時代の六曹通り
(参考リンク)
②日本統治時代(1910年~1945年)
1926年、景福宮の敷地内に朝鮮総督府が建てられ、光化門は景福宮の南側から東側へと移されました。六曹通りも拡張されました。
(原本へのリンク)
③韓国成立~光化門の再建前(1945年~1967年)
朝鮮戦争(1950年~1953年)により光化門一帯は廃墟になりました。その後、1950年代に光化門前の道路幅は、車道として約2倍(53m→100m)に拡張されました。1950・60年代の姿
④光化門の再建・李舜臣将軍の銅像建立~旧総督府の解体(1968年~2008年)
景福宮の東側にあった光化門は朝鮮戦争で木造部分が焼失していましたが、1968年に景福宮の南の正面側にコンクリートで再建されました。このとき、李舜臣(イ・スンシン)将軍の銅像も建てられています。旧朝鮮総督府は引き続き韓国政府の庁舎として利用されていましたが、1996年に解体され、その役目を終えました。
ソウルオリンピック準備時節の光景(1982年)
(原本へのリンク)
⑤光化門復元後の光化門広場(2008年~2021年)
1968年に景福宮の正面に再建された光化門は、その門の位置と建築素材において、かつての姿とは異なるとの論争が繰り返されたといいます。このため2006年に光化門の解体が始まり、2008年、本来の位置と姿に復元されるようになりました。さらに2009年8月には、車両道路16車線のうち6車線を閉鎖して、歩行者中心の光化門広場が造成されました。世宗大王の銅像もこのとき建てられており、広場の両側は車道になっています。
旧光化門広場と世宗大王の銅像
(原本へのリンク)
⑥現在の光化門広場の姿(2022年8月~現在)
2022年8月、広場がリニューアルされ、その面積も約2倍ほどに拡張されました。西側の車道が公園化されていますので、広場へのアクセスが良くなり、歩きやすい快適な空間になっています。歴史的な意味を引き継ぎながら、休息や散策のできる市民の日常の場、祝祭や行事もできる非日常の場というのがコンセプトだったようです。
2023年には、広場の北に歴史公園が整備予定です。
リニュアルされた光化門広場(2022年12月)
光化門広場で行われるイベント
- ソウルランタンフェスティバル:12月中旬から1月中旬にかけて行われるイルミネーション祭り(参考:コネスト)
参考サイト
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