鴨緑江(おうりょくこう、압록강)は、北朝鮮の北西部にあって中国との国境に沿って流れる大河です。

そのはるか昔、この川を中国側へと渡れば敵の領土という時代がありました。このため鴨緑江は歴史的な戦いの舞台にもなっています。

現在では、鴨緑江には中国へと渡る橋が架かっており、それは中朝の陸路交通の要所といえるでしょう。


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歴史的戦いの舞台となった鴨緑江とは?

鴨緑江は、韓民族のシンボル「白頭山(백두산)」に源を発し、そこから西方へと流れて黄海に注いでいます。鴨緑江という名称の由来は、水の色が鴨の頭の色に似ているからという説がありますが、真偽のほどは定かではないらしいです。




鴨緑江の川幅は、中国に渡る橋が架かっている新義州(신의주)の付近で1km近くあり、これはソウル市内の漢江と同じくらいの川幅です。橋がなければ簡単に渡れる川ではなかったようです。

このため、過去の時代において鴨緑江は、敵同士が対峙する歴史的な戦いの舞台になりました。

かの昔、三国時代に高句麗(前37年〜668年)は、鴨緑江の中・上流域に城を建設して拠点としたと言われます。

高麗王朝末期の将軍である李成桂(イ・ソンゲ)は、1388年、中国の明へと向かう攻撃軍を率いていましたが、その軍を中途で引き返したのが、まさに鴨緑江の中州である威化島(위화도)でした。この事件は「威化島回軍」として知られており、その事件の後、李成桂は軍を引き連れて高麗の首都・開城に攻め戻り、高麗王朝を滅ぼすようになりました。

その後、李成桂が建国した朝鮮王朝は、その国の領域の北の境界を鴨緑江に置くようになります。

それから数百年後の20世紀になっても、鴨緑江は、日露戦争では日本軍とロシア軍の戦いの舞台(鴨緑江会戦、1904)年となり、朝鮮戦争(1950年〜1953年)でも国連軍とソ連・中国・北朝鮮軍が戦闘を繰り広げる地域となりました。


鴨緑江に面する都市「新義州」が中国側へ渡る玄関の地!

現在、鴨緑江は北朝鮮と中国の国境であり、その川には両国をつなぐ橋が架かっています。その橋のある場所は、北朝鮮の北西部にある都市「新義州(신의주、シンウィジュ)」です(Google地図)。

ところで、新義州がこのような陸上交通の要所になったのは、20世紀に入ってからのことです。朝鮮半島では、19世紀末頃から、近代式鉄道が整備され始めます。

朝鮮半島では、まずは首都・漢城(現ソウル)から南へ向かう鉄道として、漢城(後に京城)と釜山を結ぶ鉄道「京釜線」が、1905年に全線開通します。



一方、漢城(後に京城)から北へ向かう鉄道としては、1902年に開城(개선、ケソン)までの鉄道建設が開始されました。1904年に日露戦争が勃発すると、軍用鉄道の工事が急いで進められました。その後、1906年には、龍山駅(現ソウル市内)と新義州を結ぶ鉄道が全線開通するようになります。この鉄道は、京城の「京」と新義州の「義」を取って「京義線」と名付けられました(当時の鉄道地図)。



さらに日本の韓国統監府(のちの朝鮮総督府)は、京義線を中国側へつなげるために、1909年に「鴨緑江橋梁」の建設を始め、1911年11月に鴨緑江に初の鉄道橋が完成しました。

これにより、京義線は、中国側の南満州鉄道(安奉線)と接続されるようになりました。



鴨緑江に架かる現在の橋は?中国との行き来はどうなっているの?

現在の鴨緑江には、3つの橋がありますが、そのうち2つは破壊されたり建設が中断されたりして、現在、実際に中国との往来に使えるのは「鴨緑江第二橋梁」の1つだけです。

鴨緑江橋梁(鴨緑江断橋)


1911年、新義州市内の鴨緑江に完成した初の鉄道橋でしたが、現在は破壊されたままで「断橋(단교)」となってしまっています。

この橋は全長944.2メートル、幅11メートルだったそうです。建設当時は、船舶の通過のために橋の中央部が可動する旋回橋でした(1934年3月に開閉終了)。

しかし、1950年、朝鮮戦争中のアメリカ軍機の爆撃で破壊され、その後、修復されないままになっています。

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鴨緑江第二橋梁(鴨緑江大橋)


1943年、鴨緑江橋梁の上流約60メートルほどの地点に建設された、人と車両も通れる鉄道橋です。

この橋も、朝鮮戦争中のアメリカ軍機の爆撃を受けましたが、その後修復されました。現在は、入国審査などにより車両または鉄道で通行できるようです。

「鴨緑江鉄橋」、「鴨緑江大橋」、「中朝友誼橋(ゆうぎきょう、조중우의교)」などの名称があります。

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新鴨緑江大橋


2011年頃から、鴨緑江のさらに下流に建設が進められた未完成の車道のつり橋です。

2014年の秋に、橋本体と中国側の接続道路は完成しましたが、北朝鮮側の接続道路については建設が延期され、完成の目処は立っていないようです。

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いかがでしたでしょうか。

鴨緑江を知ることで、中国と北朝鮮の関係について理解が深まると思います。



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