今回は、韓国の象徴、そして韓民族の象徴の山「白頭山」についてまとめてみました。昨年末には、韓国で公開された韓国映画のタイトルにもなった山です。
ここのところ新型コロナへの日韓両国の対策により、私のような在韓日本人にとっては落ち着かない日が続いています。このため、ブログに書きたい記事の内容も限定されてしまうのですが、今日は少し落ち着いた記事の題材を選んでみました。
白頭山は、どんな山?
白頭山(백두산、ペクトゥサン)は、北朝鮮と中国の国境地帯に位置する山なのですが、韓国の国家「愛国歌(애국가、エグッカ)」の歌詞の中にも出てくるように、まさに韓国を象徴する山でもあります。
その山は、冬は雪に覆われ、夏は山頂を覆う岩が白く見えることで、「白頭山」と呼ばれます。
白頭山は、韓半島で最高峰の山で、海抜2744mです。山頂には巨大なカルデラ湖があり、壮大な景色が広がります。
こうしたカルデラが形成されていることからわかるように、白頭山は大きな火山です。韓国映画「白頭山」でも、その大噴火からの国家存続の危機を救うストーリーが描かれています。
さらに白頭山は、鴨緑江(압록강、アムノッカン)・豆満江(두만강、トゥマンガン)という2つの川の発源地であり、その2つの川がそのまま北朝鮮と中国の国境になっています。
(原本へのリンク)
白頭山のこうした重要な地理的条件だけを見ても、白頭山は韓半島を代表する山であることは間違いないように思います。
白頭山の豆知識を6つほど!
1. その湖の名を天池(チョンジ)という!
白頭山は、建国神話の舞台として朝鮮民族の聖地であり、その山頂のカルデラ湖の名は、天池(천지、チョンジ)と言います。
天池の周りは16の峰が取り囲み、一年のうち8ヶ月は雪に覆われています。夏の平均気温は10℃程度になるのだそうです。
2. 山頂カルデラ湖としての水深は世界一!
カルデラ湖である天池の最大幅は3550メートル、最大水深は384メートルです。
世界の山頂カルデラ湖の中で、最も深い水深とのことです。
3. 山はなだらかで登りやすい
白頭山の南側(朝鮮側)は、摩天嶺山脈などの高原地帯で、その山麓はなだらかなようです。
白頭山の北側(中国)も、なだらかな傾斜が東北平原まで続いているとのこと。
暖かい時期であれば、標高に比べて登りやすそうです。
4. 李氏朝鮮時代に北方国境となった
朝鮮人が白頭山を領有するようになったのは、李氏朝鮮の世宗(1418年〜1450年在位)の時代でした。
その頃、世宗は鴨緑江・豆満江沿いの要塞化を進め、白頭山は北方民族との境界となりました。
5. 中国側は観光地になっている!
白頭山の中国側は、国立公園として観光地になっており、多数の観光客が訪れているようです。
しかし、国境にあるためボートなどにより湖への立ち入りは許されていません。
6. 大噴火の可能性が指摘されている
白頭山のカルデラ湖は、10世紀の巨大噴火でできたと言われ、有史最大級の噴火として、日本の東北地方にまで火山灰が降り注いだと言われます。
その後も、白頭山は100年に一度程度の小噴火を繰り返してきました。
そして、近年、白頭山に噴火の兆候があるとかで、1000年ぶりの大爆発の危険性を指摘する学者がいるのだと言います。そんな日に備えて、韓国でも白頭山の活動を監視しているのだそうです。
映画「白頭山」より
白頭山、いかがでしたか?
今は中国からしか行くことができない山ですが、昨年末の映画公開もあったため記事にしてみました。
いつの日か南北統一の日が訪れたら、日本からも白頭山へ観光客が訪れる日も来るかもしれませんね。
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